「はじめて2級」で障害年金の審査に通るまでの長い道のり

精神障害について
Shinko
Shinko

障害年金というものの存在を知り、受け取れるようになるまでのお話です。

障害をもち、働く事が難しくなってしまい、障害年金を知って受け取れるか、
年金事務所に何度か相談に行きました。
しかし、初診日までに年金未納期間があり、受け取れる資格がないと言われ続けました。

抜け道があるかもしれない。と諦めきれず、ネットで色々と調べてみました。

そこで、「社会保険労務士」という資格を持った方が、障害年金を受給する為の
相談から手助けまでしてくれるということを知りました。

早速、社会保険労務士事務所の相談受付に電話をしました。
まずは、予約を取り相談に来てください。とオペレーターの方に言われました。

わたしはパニック障害を持っていて、電車に乗るのが難しく、予約を取る事が出来ずに電話を切りました。

次も、そしてその次も電話をかけましたが、電話での相談は受け付けてもらえず、
どうしても予約を取り訪問しないといけないとの事でした。

何件か電話をした中で直接、社会保険労務士さんに話をする事ができました。
障害の状態をヒアリングされたり、年金を未納であったことを話すと、
やはり受給は難しい・・・と言われてしまいました。

電車で行く事は難しかったのですが、他府県の社会保険労務士さんのホームページを見ながら、
あちこちに電話をしました。

何度も何度も同じ事を話してみましたが、やはり受給は難しいでしょう。と言われるばかりでした。

10件以上かけていたでしょうか。
夜も8時を過ぎ、昼間からかけていたので疲れてきて、やはり無理かなぁ。と諦めモードでいた時です。
1本の電話がかかってきました。

「着信があったのですが、電話に出られずすみませんでした。どういったご用件でしょうか?」

これが、わたしの障害基礎年金の受給を実現させてくれた社会保険労務士のDさん(以下Dさん)との出会いでした。

同じように、年金は未納でした。初診日からしても難しいです。
でも今、障害の状況が非常に悪く、通院も難しいぐらいで一人暮らしをしています。
と伝えました。

同じく、難しいでしょう。と答えられるかと思っていたら、
「はじめて2級」という制度があるのでそれが使えるかも・・・
と言われたのです。

はじめて2級。
10代の頃、年金を納めなくてよかった時期に精神の病気になっていませんでしたか?
そう言われたのです。

そして、その当時の事を覚えている知人・友人で「第三者証明」をしてくれる人はいませんか?と。

わたしはその時、47歳でした。
10代といったら30年ほど前の事になります。
高校生の時、うつのような状態でいたのは事実です。

最低2通は必要なのですが、高校の友人で2名第三者証明を書いてくれる人が見つかりました。
その当時の状況を覚えていてくれたのです。

Dさんに障害年金を受け取るための依頼をしました。
契約書を交わす事となりました。
金銭面で不安がありました。
しかし、障害年金を受給することができた場合のみ、報奨金として年金の2ヶ月分を年金が入ってから支払う。
という契約内容でした。
これなら安心です。
年金が受給できた場合のみ支払えばよいのですから。

詳しい契約内容の書かれた書類と、第三者証明用の用紙が送られてきました。
捺印を押し、契約書を返送し、第三者証明については書いてくれる友人に郵送しました。

そしてDさんは、わたしが以前通っていた心療内科に受診状況等証明書の請求をしてくれていました。

並行してDさんと「病歴・就労状況等申立書」を作成しました。
わたしは6ヶ所ほど心療内科やクリニックを変えていたので、その当時の細かい事を思い出しながら
時系列で書きこんでいきました。

そして、戸籍謄本や住民票の取り寄せもしました。

障害年金を請求する際に必要な書類については以下を参考にしてください。

参考:「障害年金」を請求する際にご用意いただくもの

他府県に事務所を持つDさんとのやり取りでしたので、全てメールと郵送で書類作成をしました。

そして、障害年金の申請を進行させながら、わたしの障害の悪化の都合で、
関西から親の実家がある近くの関東に引っ越しをしたのです。

関東に引っ越してから、新たに心療内科に通いはじめ、障害年金の申請の為の診断書の作成を依頼する段階まできました。

なんと、関西に住むDさんが、心療内科の主治医に診断書を記入してもらう為の依頼だけに、
わざわざ新幹線に乗って来てくれたのです。

Shinko
Shinko

診察の日、一緒に診察室に入り、主治医に依頼をしてくれました。

コピーした「病歴・就労状況申立書」や「受信状況等証明書」も主治医に渡してくれました。
(診断書の作成に参考になる資料としてです。)
わずか15分ほどの診察で終了し、Dさんにわざわざ来ていただいて申し訳ない気持ちでいたのですが、
同じ県にDさんのお姉さまがいて会いに行き宿泊すると言っていただいたので、少し気持ちもラクになりました。

転居先の関東で年金事務所を訪問予約し、書類を持って行きました。
担当になってくれた方はすごく親切・丁寧な方でした。

審査の申請の受付は2019年5月でした。
もし、審査に通って障害年金を受け取る事ができる場合は、2019年6月分からだと言われました。
審査は3か月ほどかかると言われていました。

2019年9月頃、年金事務所の担当者から連絡がありました。
残念ながら、審査に通らなかったようです。
「10代の頃、他に心療内科や精神科に行った記憶はありませんか?」
そう聞かれたのです。

かなり昔の事でしたが、一時通院していた心療内科があった記憶がうっすらとあり、
Google mapで、そのあたりの地図を見て探しました。
そうすると、「N医院」ありました!
16歳の頃、通院していた事を思い出したのです。

早速N医院に電話をしました。
30年以上前の事です。カルテは残っていませんでした。

年金事務所の方にそう伝えると、「第三者証明」を取ることはできませんか?
そう言っていただけたのです。

また、新たに3人の知人・友人に思い出してもらい、第三者証明を書いてもらう事ができたのです。

審査に通らなかったという連絡を年金事務所の担当者からもらってから、
書類がそろうまでに約1ヶ月かかりました。

そして、「病歴・就労状況申立書」に追記し、第三者証明3通を添えて
再審査をお願いすることになったのです。
提出は、2019年10月頃でした。

何度か、審査の状況を問い合わせる為、電話をしました。
気になって気になって、待っていられなかったからです。
「審査に時間がかかっておりまして・・・申し訳ございません。」
そういう返答がいつも返ってきていました。

年が明けて2020年2月、年金事務所から書類が届きました。

障害年金が認められたのです。

2020年3月15日に、認められれば年金が発生する2019年6月~2020年1月までの
年金8ヶ月分、52万円ほどが振り込まれました。

その中から、社会保険労務士のDさんに
障害年金の2ヶ月分+消費税8%(契約した当時の税率です)
計14万円ほどを振り込みました。

第三者証明を書いてくれた知人・友人にはお礼の連絡をしました。
覚えていてくれた事に感謝です。

10代の年金を納めなくてよかった時期に心療内科に通っていた事、
そのカルテが残っていなかったけど、それを証明してくれる人がいた事、
そして、現在の病気が2級相当になるほどの状態である事、
年金事務所の方の計らいで再審査をしてもらえた事、
それらの事から障害基礎年金を受給できるようになりました。

わたしの場合は、毎年診断書を提出して、毎年の審査が必要となります。
働きに出る事ができないわたしにとって、年金は本当にありがたいです。

「はじめて2級」という制度を使うように教えてくださった社会保険労務士Dさん、
再審査ができるようにしてくれた年金事務所の担当者の方、
みんなに感謝の気持ちでいっぱいです。

タイトルとURLをコピーしました